『きいろいばけつ』が伝えたいこと、あらすじと考察、感想など。

2024/05/02

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本の紹介


もりやまみやこ・作

つちだよしはる・絵
出版社:あかね書房
発行:1985年
対象年齢:5歳ぐらいから

要約

キツネの子の、きいろいばけつへの執着と愛着を描いた、かけがえのない物語。

この作品から学べること

※ 項目の特性上、ここから先は本の内容に触れていきます。いわゆるネタバレが含まれてしまう可能性があることをご了承の上、お読みください。

子どもの視点に立つこと

大人から見れば取るに足らないものでも、子どもにとっては大切な思い出や価値があることを、この作品では教えてくれます。子どもの純真な心を大切にする重要性がわかります(うちの娘は、ハッピーセットのおまけみたいなものでも、壊れるとひどく怒ったり泣いたりします。親から見れば単なる物質ですが、子どもからすればハッピーな思い出とセットなんですよね……)。

物事の本質を見る目

ばけつそのものではなく、ばけつとの思い出や経験そのものが大切だということを最後で示しています。物事の本質的な価値を見抜く目が重要だということが書かれているのだと思います。

心の豊かさ

単なるばけつでさえ、子どもの想像力によって「全宇宙」と化すことができます。きつねの子は1週間のあいだ、ずっと「自分のものになったら」と色々な想像に胸を膨らませていました。このことから心の豊かさと創造性の大切さを学ぶことができます(「全宇宙」という言葉は作者のあとがきから借りました)。

愛着や執着心の大切さ

1週間もばけつを大切に想い続けた愛着や執着心には、人間らしい心の在り方が表れています(きつねですが←)。愛着を持つことの意味、そこから膨らむ創造性や心の温かさについて学ぶことができるかと思います。

かけがえのないものの尊さ

ばけつが代替不可能なものとなっている点は、この世にかけがえのないものがあることを示唆しています。かけがえのない存在の尊さについて学ぶことができると思います。

※ この項目は、ブログ主の主観に基づいて書いております。著作者様の思想や感情を反映したものではありません。

※ お子さまの心の成長や読書感想文のご参考、または大人の方の自己啓発にお役に立てたら嬉しいです。
※ まだ作品を読んでいないかたは、ぜひ書店や図書館等で探して読んでみてくださいね。

考察

この作品は、思い出の大切さについて学ぶことができます。

作品の中で、きつねの子が1週間かけてばけつと過ごした経験は、ばけつに対する愛着の源泉となっています。物質そのものよりも、思い出が大切なのです。

たとえ同じような別のばけつを手に入れたとしても、1週間ばけつと過ごした経験の思い出に勝る喜びや感動は得られないだろうと、作者もあとがきで書いています。

この作品は、人生において思い出の持つ重要性、思い出から生まれる心の豊かさを教えてくれています。物事の本質は目に見えない思い出の中にこそあり、それを大切にする心が大切なのだと学ばせてくれると思います。そう考えると、この作品はどこか『星の王子さま』と繋がる部分がありますね。キツネだし。なんてね。

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ではでは。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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