私には現在1歳と小1の子どもがいますが、上の子が年長さんのときに、卒業対策委員会(卒対)の役割を任されました。私立幼稚園ということと、長年勤めている先生が多いということもあって、先生方からのアドバイスをいただきながら活動を進めることができました。本来は保護者が裏方となって進めていくものですが、園の雰囲気がアットホームだったこともあって、先生方の協力を得られたことは大きな助けとなりました。基本的にはメンバー内で揉めるようなことはなく、スムーズに進行していくことができたのでよかったです。今回は、私の経験を踏まえ、卒対役員になって学んだこと、大変だったこと、めんどくさいなあと思ったこと(笑)……などを書いていきたいと思います。また、実際に経験してみて、廃止案について思うことについても触れていこうかと思います。
卒対とは?仕事の内容
まずはそもそも「卒対」ってなんだ?という方もいらっしゃるかと思うので、その仕事内容について触れていきたいと思います。
卒園式を迎えるにあたり、保護者が中心となって行われるのが「卒対(卒園対策)」です。卒対は、子供たちの幼稚園生活の思い出を形にし、卒園を祝うための様々な準備を行います。
卒対の主な仕事は、大きく分けて以下の3つがあります。
1. 文集の制作
文集は、子どもたちの幼稚園生活の思い出を綴った冊子です。卒対は、子どもたちの写真撮影や、文集のテンプレート作成、印刷業者とのやり取りなどを行います。ひとりひとりの個性を生かしながら、思い出に残る文集を作り上げるのが卒対の役目です。
2. 卒園グッズの選定
卒園を記念して、子どもたちに贈るグッズを選ぶのも卒対の仕事です。アルバム、DVD、タオルなど、子どもたちが卒園後も大切にできるアイテムを選びます。子供たちの好みや、予算とのバランスを考えながら、最適なグッズを選定します。
3. 御礼品や謝辞・祝辞の調整
卒園式では、お世話になった先生方への御礼品の贈呈や、卒園生保護者代表による謝辞・目録、園長先生や在園生保護者代表による祝辞などが行われます。卒対は、御礼品の選定や、謝辞・祝辞を読む人の選出など、式の進行に関わる調整を行います。
私が担当した仕事
私は主に卒園文集のデザインや編集などを担当しました。当時は下の子が0歳だったため、会議への参加が難しい状況でしたが、在宅でできる仕事を引き受けることで、少しでも卒対に貢献できたことを嬉しく思います。基本的には「動ける人が動ける形で動く」というスタンスで進行していました。
文集を作成するにあたっては「Canva」を使って表紙や裏表紙、見開きページなどを作りました。基本的にはテンプレートから大きなデザイン変更することなく進行できました(それでもトータルで概算20時間以上はかかっていたかとは思いますが)。
卒対役員になって学んだこと
いろんな家庭があるということ
よくネットに上がっている記事では、
- メンバー間でトラブルが発生した
- 前年後継派と改革派で対立した
- 文集用紙への記入をしてくれない家庭がある
- 卒対費用の支払いを拒否する家庭があり、進行が困難
などの問題が発生したなど書いてありますが、私が担当したケースでは、「3」と「4」の問題が出ました。ただ、基本的には穏便に進行していきたいということもあったため、その家庭に対して催促(督促?)するということなどせず、「文集も記念品も渡すことができなくなると思うけれど、それで大丈夫ですか」という確認は取りました。その家庭は「それでいい」とのことだったので、文集や記念品などの受け渡しはその家庭に配慮して(子どもにバレないように)で行いました。卒園式当日の持ち帰り荷物に忍ばせるっていう。
もちろん、卒対費用の支払いは絶対しなければいけないものではありません。強制的に徴収しようとすることはあってはならないことですからね。役員としては全員が同じように支払ってくれて、みんな期限内に書類を提出してくれることがラクですけどね。ただ、ラクだからという理由で強制してはいけない、というのはメンバー全員が思っていたようなのでよかったです(意地でも徴収しようとする人がいたらきっと大変でしたw)。
メンバーとの良好な関係性が一番大事
卒対の活動を振り返って、メンバー全員が人柄のいい方々だったことが、何よりもよかったと感じています。育児や仕事など、それぞれの事情を抱える中でも、互いを思いやり、尊重し合える関係性がメンバーの中にはありました。意見の相違があっても、否定したり対立したりということはなく、建設的な議論ができる雰囲気があり、アイデアを出し合いながら、よりよい卒園式の実現に向けて努力することができました。
先生方との連携の大切さ
私立幼稚園ならではの利点として、先生方との距離が近く、連携を取りやすい環境がありました。卒対の活動においても、先生方からのアドバイスや協力は非常に心強いものでした。例えば、文集の内容について相談したときには、子どもたちの園での様子や成長のエピソードを教えていただき、より充実した内容にすることができました。年長児全員が集まった写真を撮りたいとなったときも、欠席者がいない日を電話で知らせてもらうなどできました。先生方との信頼関係が、円滑な活動につながったと感じています。
子どもたちの成長の記録
文集編集を通して、改めて子どもたちの成長を実感することができました。写真や先生方から聞いたエピソードを見返すと、子どもたちが大きく成長した姿に感動しました。また、子ども自身の言葉で綴られた「幼稚園の思い出」には、一人ひとりの個性が光っていました。この文集が、子どもたちにとって大切な思い出の一冊になりますように。
大変だったこと
メンバーへの負担の偏り
卒対の活動を進める中で、特定のメンバーに負担が偏ってしまったことは反省点の一つです。先生とのやりとりを担当していたメンバーには、連絡調整や情報共有など、多くの仕事が集中してしまいました。メンバー全員で役割分担を見直し、負担を分散させる工夫が必要だったと感じています。
配慮の難しさ
文集作成や記念品の選定など、様々な場面で配慮が求められました。例えば、文集の内容については、子どもたちの個性を生かしつつも、全体のバランスを考えなければなりません。また、記念品についても、子どもたちの好みや家庭の事情など、様々な要素を考慮する必要がありました。みんなが喜ぶ選択をするのは、なかなか難しい課題でした。
全員集合写真の撮影調整
文集に掲載する年長児全員の集合写真を撮影する際、全員が揃う日を設定するのが大変でした。子どもたちの体調不良や家庭の事情などで、なかなか全員が揃う機会がなく、撮影日の調整に苦労しました。先生方に協力していただきながら、何とか実現することができましたが、スケジュール調整の難しさを実感する出来事でした。
めんどくさいなあと思ったこと
提出物の管理
卒対の活動では、保護者からの提出物(文集用の写真や文章など)の管理が必要でした。期限内に提出してもらえるよう、定期的に保護者の皆様に締切の連絡をするのですが、中にはなかなか提出してもらえない方もいらっしゃいました。何度も連絡を取るのは、正直めんどくさいと感じる瞬間もありましたが、文集作成のためには必要な作業だったので、根気強く対応するようにしていました。
予算管理
卒対の活動には、一定の予算が割り当てられていました。文集印刷や記念品の購入など、様々な支出を管理しなければならず、時には頭を悩ませることもありました。限られた予算の中で、できる限り良いものを選びたい気持ちもありましたが、現実的な選択も必要でした。予算管理の難しさを感じる場面が多々ありました。
保護者からの要望への対応
卒対の活動を進める中で、保護者の方々から様々な要望やアイデアをいただくことがありました。できる限り皆様の意見を取り入れたい気持ちはありましたが、全ての要望に応えることは難しい現実もありました。要望への対応については、メンバー間で話し合い、最善の選択をするよう心がけました。
夜に発生するLINEのやりとり
仕事や育児など、みなさんさまざまな事情を抱えていましたので、どうしても日中ではやりとりできない場合がありました。そうなると、喫緊の調整などは夜中にLINEでやりとりしなければならないことがありました。0歳の夜泣き対応で寝不足続きだったこともあり、そこは少し大変でした。
卒対廃止案について思うこと
最近よく見かける「卒対廃止案」。卒対の活動には多くの時間と労力が必要であり、保護者の方々の負担になることは事実です。また、卒対をめぐるトラブルや対立が起こることも少なくありません。
卒対の在り方については、各園の状況に応じて、柔軟に考えていく必要があると思います。私が担当した年、幼稚園はおそらくですが、そんなに大変ではなかったのではないかと思います。もちろん、0歳を面倒みながらというのは大変ではありましたが。保護者の負担を軽減しつつ、子どもたちのための活動を続けていく工夫が求められるのではないでしょうか。例えば、活動内容の簡略化、役割分担の明確化、外部業者の活用など……。
また、卒対の活動に参加しない選択肢を認めることも大切だと思います。私が担当した際も、一応アンケートはとりました。割合的には9割が賛成、1割が反対でした。卒対への参加を強制するのではなく、保護者の事情に応じて、柔軟に対応することが望ましいのではないかと思います。
卒対の廃止か存続かは、一概に答えの出せる問題ではありません。各園の状況に合わせて、保護者と園が話し合い、よりよい形を模索していくことが大切だと思います。
まとめ
卒対の役員を経験して、保護者の方々との連携の大切さ、先生方のサポートのありがたさ、そして何より子どもたちの成長の素晴らしさを実感することができました。大変なこともめんどくさいこともありましたが、それ以上に、子どもたちの笑顔と保護者の方々の喜ぶ姿を見られたことがよかったと思います。私が文集制作を担当していたこともあってか、娘はすごく文集を喜んでくれました。
卒対の活動は、子どもたちの幼稚園生活の集大成であり、保護者の方々の思いが詰まった大切な役割だと思います。しかし、時代に合わせて変化していくことも大切だと思います。実際やってみて思いましたが、専業主婦ありきの役員だなあという感じはすごくしました。私立幼稚園とはいえ、半分ぐらいは働いているお母さん。小さい子がいるから育児に専念したいお母さん。フリーランスのため家で仕事をしているお母さんとさまざまです。暇な専業主婦ってそんなにいないと思います(笑)。だからといって外注すればいい、というのは簡単ですが、その手配は結局保護者がすることになる……など考えると、結構難しい問題だなと感じます。
なんか、着地点を見失いつつあるのでそろそろお暇しようかと。
ではでは。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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