『モチモチの木』が伝えたいこと、あらすじと考察、学べること、親子の感想など。

2023/08/25

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絵本のプロフィール

作者(著者):斎藤隆介
絵:滝平二郎
出版社:岩崎書店
発行:1971年
対象年齢:5歳から

要約


臆病な5歳の豆太が、おじいさんを助けるために勇気を出し、夜中に一人で医師を呼びに行く物語

この絵本から学べること


※ 項目の特性上、ここから先は本の内容に触れていきます。いわゆるネタバレが含まれてしまう可能性があることをご了承の上、お読みください。

◆勇気の定義

勇気とは誰かのために自分を犠牲にするだけでなく、優しさや思いやりを持って行動することでもあります。

”にんげん、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ"

この、じさまの言葉からも勇気の大切さが伝わってきますね。

◆恐怖の克服・成長

豆太は夜中にひとりでせっちんに行くことを怖がる臆病な男の子です。しかし、それを克服して、じさまを助けるために行動を起こしました。弱い自分を超えて、おじいさんのために果敢な行動をすることで成長する姿勢が描かれています。

◆深い悲しみから発生する強さ

作品の最初のほう、豆太はお父さんを亡くしていることが描かれています。つまり、豆太は家族を亡くす悲しみを知っているということです。普段は臆病ですが(もしかしたらその体験が豆太を臆病にさせたのかもわかりませんが)、再び家族を失うということは豆太にとっては夜の外よりももっと恐ろしいことなのでしょう。
深い悲しみが、豆太に果敢な行動を起こさせたとも読み取れます。

また、じさまからしてみれば豆太のお父さん、つまりは息子を失っているわけです。
じさまの深い愛情もまた、深い悲しみから発生していると読み取れます。

◆勇気の源は愛

じさまは、豆太を愛情深く育てていることが描写されています。
また、豆太が恐怖を乗り越えて行動できたのは、おじいさんへの深い愛から生まれたものです。このことから、愛情深く子どもを育てることの大切さ、さらには子ども側も家族の愛情を感じ取る力を持つことの重要性がわかります。勇気、克服、成長のために愛は欠かせませんね。

◆限界を越えるということ

”じぶんでじぶんをよわむしだなんておもうな”

とじさまは言いました。それは言い換えれば、自分で自分の限界をつくるなという意味にも読み取れます。

自分の限界を超え、成長する姿勢はとても大切です。 
豆太は、夜中に外に出ることができなかったのに、山を降りてお医者さんのところまで行きました。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますね。大好きなじさまを助けたいという思い、その強さがあったからこそ、豆太は限界を超えられたと考えられます。

◆誰かのためを思うからこそ勇気が出せる

最後、豆太は自分でトイレに行けるようになったかというと、そういうわけではありません。
これはつまり、自分の用足しのためには勇気を出せないけれど、大好きなじさまのためなら勇気を出せるということを表現してると読み取れます。

※ この項目は、ブログ主の主観に基づいて書いております。著作者様の思想や感情を反映したものではありません。
※ お子さまの心の成長や読書感想文のご参考、または大人の方の自己啓発にお役に立てたら嬉しいです。
※ まだ作品を読んでいないかたは、ぜひ書店や図書館等で探して読んでみてくださいね。


子ども(5歳)の感想

・もっと可愛いお話だと思った(タイトル詐欺だといいたげでしたw)
・じさまが助かってよかったね
・豆太はもうすぐ一人でおしっこできるようになるよ
・どうしてじさまと二人暮らしなの?お母さんは?

母親の感想

この作品は、私が小学3年生のときに教科書で習った教材です。
絵とタイトルの印象が強かったからか、内容はうろ覚えでしたが作品のことはずっと覚えていました。
大人になってから読み返すと、めちゃめちゃ対比項目が多くて「そりゃ教科書にも採用されるわな」と思いました(笑)。

さて。

昼間の豆太は、モチモチの木に対してめっちゃ強気なのに、夜はひどく恐怖しています。
父親を熊との戦いで亡くし、また、じさまの唸り声を熊の声と間違うなどという描写から、ひどく熊を恐れていることがわかります。
もしかしたら、暗闇で見える夜のモチモチの木は、豆太からしたら熊そっくりに見えているのかもしれませんね。

「勇気がある子はモチモチの木に灯りがついているのを見ることができる」というのを、お医者様は知りませんでした。豆太の家(猟師)だけで語り継がれていることなのかもなと思いました。

最後の豆太が可愛いですね。勇気ある行動を取れたけれど、翌日は元の通りにトイレのために
じさまを起こします。エンタメだったら次の日から一人で用足しに行けるようになっちゃっていますよね。これが人間のお話であるというのがしっかりわかります。

人間の多面性が描かれていると同時に、モチモチの木それ自体は何も変わっていないんですよね。ただそこにあるのみ。灯りが灯るのだって……(もにょもにょ)。


この作品は、内容が素晴らしいだけではなく、読書の楽しみ方を学ぶためにもいいと思います。対比が多いこと、描かれていないことを想像する力を養えること、などなど……定期的に子どもに読み聞かせしたいと思いました。

ではでは。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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