【絵本】『にじいろのさかな』が伝えたいこと、あらすじと考察、学べること、批判や親子の感想など。

2023/07/14

【絵本】どうぶつ #さかな

X f B! P L ブログランキング・にほんブログ村へ




絵本のプロフィール

作者:マーカス・フィスター
訳者:谷川俊太郎
出版社:講談社
発行:1995年
対象年齢:3歳から

要約

傲慢で孤独だったにじうおが、自慢の鱗を他の魚たちに分け与えたことで本当の幸せに気づく物語。

この絵本から学べること


※ 項目の特性上、ここから先は本の内容に触れていきます。いわゆるネタバレが含まれてしまう可能性があることをご了承の上、お読みください。

◆与える喜び

にじうおは自分の美しさを大切にしていましたが、ある者からのアドバイスを得て、鱗をほしがった他の魚たちにそれを分け与えました。誰かと何かを共有したり助け合うことで得られる喜びは、独りよがりの自己満足よりも大きいものであると学ぶことができます。

◆孤独を克服する

自己中心的な態度は、孤立してしまう可能性があります。にじうおは、誰に声をかけられても半ば無視して海の中を泳いでいましたが、その態度を改めました。最後は、他のさかなたちと友達になって一緒に遊んでいる様子が伺えます。

◆誰かの喜びや感謝が、自分の喜びにもなるということ

にじうおは大切にしていた鱗を他の魚たちにあげてしまいました。みんなは喜びました。それをみて、にじうおも幸せな気持ちになっています。ここでにじうおは、他者と心を通わせる喜びを得たことがわかります。

◆真の美しさの定義

この物語では、外見の美しさだけではなく、優しさ思いやりのある行動こそが本当の美しさであることを示しています。
 他人の好みや感情に敏感になり、思いやりの心を持つことは、人間関係の向かう方や幸福感の向上につながることが見て取れます。

※ この項目は、ブログ主の主観に基づいて書いております。著作者様の思想や感情を反映したものではありません。
※ お子さまの心の成長や読書感想文のご参考、または大人の方の自己啓発にお役に立てたら嬉しいです。
※ まだ作品を読んでいないかたは、ぜひ書店や図書館等で探して読んでみてくださいね。


子ども(5歳)の感想

・絵がキラキラしていてきれい
・人のものをそんなに欲しがるのはいけないと思う
・にじうおも、大事なものを取られたくないなら「大事だからあげない」と言えばよかったんじゃないのかな
・それでも友達ができたのだからよかったと思う

母親の感想


この作品、どうやら賛否両論、少なからず批判の上がっている物語らしいですね(今知りました)。
私もこれを読みながら「ンンン?」と少し違和感がありました。
「分け与えることの大切さ」を伝えたいというのはわかるのですが、生まれ持った個性であるキラキラのうろこを、断り方は悪かったと言えどあげなかったことで村八分にされるのはどうなんだろう、と……。
でも、実社会だと案外これがリアルだったりするんですよね。ある意味、子どもに媚びていない生々しい絵本だと思います(魚だけに!?)。

たとえば我が家の5歳がキラキラのシールをお友達に見せびらかしたとします。そのうち3歳の子がやってきて「私にもちょうだい」と言われたとして、「あげるわけない!私を誰だと思ってるの!」「あっち行け!」なんて態度をとったとしたら、お友達みんなに嫌われてもおかしくありません。
逆に、キラキラのシールをみんなにあげたい、みんなを喜ばせるのが大好きという態度で配っていたらおそらく人気者になれるでしょう。
本質的には、そういった心が美しいんだよというストーリーだと思うのですが、表面だけ読むと「ウロコをあげなかったら仲間外れにされた」「ウロコをあげたから遊んでもらえるようになった」「これがいじめの始まり……」と見えてしまいます。でも、だからこそ、深く何度も読み続けないといけない絵本とも言えるのではないかと私は思います。表面よりもっと奥、もっと奥を知るために。

読み聞かせするたびに、きっと色々な感想が上がってくる絵本です。
にじうおの気持ちだけではなく、他の魚やタコなどの気持ちも一緒に考えていくとよさそう。
たとえば、ちいさなあおいさかなから話を聞いた他の魚たちが一体どんな気持ちでにじうおからそっぽを向くようになったのか、とか。
また、子どもってなんでも欲しがる時期ってありますよね。そういう時期に「誰にでも人にあげたくない大事なものがあるんだよ」と教えてあげるために読み聞かせするのもよさそうです。

この作品はシリーズ化されているため、さらに深く読むためにはそれらも読破する必要がありそうです。どうやら、にじうおがウロコを分け与えた魚たちがチームを組んで……そこから先はまた後日!

世界的にもたくさんの方に読まれている絵本なので、安易に「こんな内容は読ませたくない!」と遠ざけるのも私は違うと思います。この一冊だとなかなかわかりづらいですが、だからこそ、作品を遠ざけることはせず、歩み寄り、理解したいと思うことが大切だと思います。ということで、このシリーズ、他の作品も読んでこちらでご紹介していきますね。

ではでは。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Translate

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ