「句読点が怖い」という若者の感覚って?マルハラだと感じる7つの理由

2024/04/16

コラム

t f B! P L ブログランキング・にほんブログ村へ

最近、若い世代の間で「。」を最後につける「句点が怖い」という認識が広がっています。この現象は「マルハラスメント(マルハラ)」と呼ばれており、SNSやメッセージアプリでの句読点の使用を避ける(あるいは避けてほしい)といった傾向を指しています。一体なぜ若者は句点を怖がるのでしょう。ということで、今回は若者が「。」を怖がり敬遠する7つの理由について考えていきたいと思います。

1. 「。」は強くて冷たいと感じている

若い世代の間で、句点は、強い断定や感情的な意味合いを持つと捉えられがちなようです。若者たちは、句点を使う中高年に対して強い印象を感じ取ったり、冷たい雰囲気を感じ取っているようです。今の若い子の多くは小中学生時代からスマートフォンによる文字のやりとりをするのが当たり前だったと思います。そう考えると小学生同士で、「明日一緒に遊ぼう。」「いいよ。どこに集合する?」という句点を使ったやりとりというのはしてこなかったかもしれませんね。「明日あそぼー⚽️」「じゃ公園集合でいい?🌞」「りょ」「(スタンプ)」みたいな……?

スタンプや絵文字などを使いながら、優しさや柔らかさのあるメッセージのやりとりをしてきた世代だと思います。

平成ケータイ小説から文芸部門に鞍替え(?)した私からすると、この「。」は怖いという感覚はわかります。たとえば太宰治の『走れメロス』の冒頭は、

“メロスは激怒した。かの、邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。”

です。

こんなメッセージが上司から届いたら若者的には怖いでしょう(こんなものは届きません)。

平成ケータイ小説でこれを表現してみましょう。

“「(あー、もう、あまりにも無理すぎない…❓)」

「(最悪なんですけど😭💔もう、笛吹いたり羊と遊んだりしている場合じゃなくない…🐏💦)」

ぁたし、メロス☆なんでこんなことになっちゃってるわけ?(怒)なんの話かって? ぶっちゃけ、王だよ😠え?何があったかって?それ聞いちゃう?あのね……”


原文はカルピスでいうところの原液ですが、変換ver.は30倍に薄まっています。「。」は若者的には怖いし冷たいし「濃い」と感じるのかもしれません。

2. 曖昧さの維持

若者たちは、コミュニケーションにおいて曖昧さを維持することを好む傾向にあります。句点を使わないことで、断定的な表現を避け、相手に解釈の余地を残すことができます。平成ケータイ小説もそんな感じですね。ただ、このような曖昧さの維持は、相手を尊重し、対話の可能性を広げるための配慮とも言えるかと思います。

3. 親近感の演出

句点を使わないことで、フランクで親しみやすい印象を与えることができます。若者たちは、友達や身内とのコミュニケーションにおいて、堅苦しい句読点を避けることで、親近感を演出していることが多いようです。句読点を使わない「流れるような」文章・コミュニケーションは、若者独特の文化とも言えるかもしれません。実際LINEでは返信の速度も大事なことも多いです。そのため「あー」「たしかに」「それなー」などの相槌を打ってから、自分の思っていることを文章にして送るということもよくあります。

4. ソフトな表現の選択

若者たちは、強い主張や意見を押し付けることを避ける傾向にあります。句読点を使わないことで、断定的な表現を和らげ、ソフトな印象を与えることができます。これは、相手の感情を害することなく、自分の考えを伝えるための工夫と言えるかもしれません。

5. 余白の活用

句読点を使わないことで、文章に「余白」が生まれます。この余白は、読み手の想像力を刺激し、自由な解釈を促す効果があります。若者たちは、この余白を活用することで、相手との対話や共感を生み出そうとしているのかもしれません。

6. リズムの創出

句読点を使わない文章は、独特のリズムを生み出します。若者の中には、このリズムを楽しみ、言葉遊びのように文章を紡ぐことを好む人がいるようです。句読点を使わないことで、言葉の流れに身を委ね、感覚的なコミュニケーションを楽しんでいるのかもしれません。

7. トレンドの追随

マルハラは、若者の間で一種のトレンドとなっています。句読点を使わないことが「カワイイ」「オシャレ」といったイメージと結びつき、若者たちの中にはこのトレンドに追随している人もいるかもしれません。仲間内で句読点を使わないことが、一体感や連帯感を生み出す役割を果たしているということも考えられるかもしれませんね。

まとめ

以上の7つの理由から、若者たちが句読点を怖がる、避ける心理が見えてきます。彼らは、句読点を単なる記号ではなく、感情や意図を伝える重要な要素として捉えているのかもしれません。句読点を避けることで、相手への配慮や言葉の可能性を追求しているとも言えるでしょう。

ただし、句読点を全く使わないことには注意が必要です。文章の意図が伝わりにくくなったり、誤解を招いたりする恐れがあります(私の場合、絵文字の選択ミスで笑顔マークを送ろうとしたら怒ってるマークを送ってしまいトラブルになったことがあります←)。状況に応じて、適切に句読点を使い分けることが大切でしょう。

また、年上の人や目上の人とのコミュニケーションでは、句読点を適切に使用することが求められます。社会人として、場面に応じた言語運用能力を身につけることが重要です。

若者たちが句読点を怖がる背景には、繊細なコミュニケーションへの希求があるのかもしれません。彼らの言語感覚を尊重しつつ、私たち中年以上の世代も、状況に応じた適切な句読点、絵文字、スタンプの使い方を身につけていくことが大切なのかもしれませんね。

若者たちのコミュニケーションは、常に変化し続けています。マルハラもその一つの表れと言えるでしょう。彼らの言葉の背景にある心理を理解することで、より豊かな対話が生まれるのではないかと思います。ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。


Translate

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ