親の死後、きょうだい児として姉と向き合う〜大人になって、つらい時期を越えて

2024/04/18

きょうだい児

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どうも。横ナルカと申します。普段は育児に関するブログを書いていますが、今日はちょっと違う感じで書いていこうかと思います。

私には6歳上の姉がいます。といっても、いわゆる一般的な姉妹の関係を築くことはできておりません。姉は筋ジストロフィーという遺伝子疾患・難病を抱え、知的にも身体的にも最重度の障害があります。そのため、専門の病院に長期入院しており、地域で暮らすという選択肢を持つことはできません。


幼い頃から私と姉の交流はほとんどありません。親に連れられて病院や養護学校(今で言うところの特別支援学校)の行事や寄宿舎に姉に会いに行くことは何度かありましたが、その程度でした。お盆やお正月などに帰省していましたが、幼かった頃はたったそれだけの日数でも、なぜ自分が姉のお風呂やトイレの面倒を見なければいけないのかと不満を抱えたものでした。暴力を振われるなどもありましたが、親は「家族なんだから」「お姉ちゃんは頭がこうなんだから(頭の横でクルクルパーの動き)」などと言い「仕方がないことなんだ」といった具合に私を説得しようとしてきました。当時の私は、そんな説得をされてすぐに納得できるほど出来た人間ではありませんでしたので、それはもう不満の塊みたいな感じでした。子ども時代のこういった悩みは誰に相談できるわけでもなく、ただただ内側でぐるぐると深い闇になっていくばかりでした。

現在、両親は他界しており、私が姉の成年後見人となって、姉の療養や財産管理などの面倒を見ています。しかし、育児もあり、片道2時間かかる病院まで頻繁にお見舞いに行くのは容易ではありません。コロナ禍で病院の面会制限が設けられたこともあり、以前よりも姉に会う機会は減りました。

病院や役所や家庭裁判所とのやりとり、指定された荷物の転送、お小遣いの送金etc...が今現在、姉関連での私の職務です。毎日家で面倒をみているきょうだい児の方と比べれば、私の悩みはそこまで重いものではないのかもしれません。ただ、これでも結構ギリギリです。1歳と6歳の子どもをみながら──これが毎週お見舞いに来てくれとなったら、私の生活はおそらく回りません。子育ての合間に書類の作成や役所への問い合わせ、姉がほしいと要求している青色のクーピー10本、厚めの膝掛け、黄色の服などの手配をするだけでも、しんどいものはしんどいです。とはいえ、姉の尊厳が守られるように努めていかなければいけないのが成年後見人としての私の職務なので、こなしていかなければなあ、といったところです。

姉は多くの言葉を持ってはいません。IQ20以下、2歳程度の知能と言われています。私の長女が姉の知能を追い越し、もう2年もしないうちに下の子が姉を追いこすでしょう。子育てをするまでは、正直言って姉の存在は「厄介」としか感じられませんでした。今思えばこの感情は差別ですし、姉という存在の偏った部分しか見ることが出来ていなかったということです。今となっては、姉が時折見せる表情に生きる喜びが滲んでいるというのがわかるようになりました。自分の娘たちがそうであるように──姉のその笑顔に、私は生命の尊厳を感じずにはいられなくなってしまいました。同時に、私は長年、姉に対して「人を人として見る」という当たり前のことが出来ていなかったのだと気がつきました。気がついてしまうと、それはそれでしんどいというか、恥ずかしいというか苦しいというか、ちょっとこれ以上先を言語化しようとするとぶっ壊れそうなので、今はやめておきます(スミマセン)。書ける時期になったら書きます。生活せねば。生活優先。感情の昂りはここまで(ちょっと泣きそうになりながらタイプしているのを1歳が横で「なんで?なんで?」と見てきます)。

姉のような重度障害者が、その人らしく尊厳を持って生きられる社会であってほしい。そんな思いを抱きながら、これからも姉と向き合っていきたいと思います。そう思えたのも、普段お世話してくださっている病院の方々のおかげです。この病院にお世話になれなかったら、私の中の差別意識や偏見に気がつくことができなかったような気がします。

育児、姉との関係を通して、私は『人として尊重し合うこと』の意味を学びました。障害の有無に関わらず、一人ひとりが尊厳を持って生きられる社会を目指すことはとても大切なことだと思います。そして、私と同じように障害者とその家族を支える立場にある人たちにも、私の経験が少しでも届けばと願っています。「誰からも理解されない」と苦しんでいるきょうだい児の方々の尊厳が守られますように。みんなが幸せに生きられますように。みんなが余裕を持って、「人を人として見る」という当たり前のことができますように。精神的に余裕がなくなったら容易に休める社会でありますように。嫌なことなど考えずにすむ世界でありますように。優しい社会でありますように。

理想、祈り、願い、もっと書きたいところですが……

1歳がウンチをしたようです。最後まで読んでいただきありがとうございました。ダーッと書いたので読みにくい部分もあるかと思いますが、また何か姉について書きたくなったら書こうかと思います。


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