Translate

洗って干しての人生だ

 


人生に意味を求めなくなった。それでも、無意味なものには意味を見出そうとする。矛盾というか、闇雲というか、滅裂というか。

タオルを洗って干して畳む。また洗って干して畳む。
生きるということは、単調なことの繰り返しだと思う。生活をせよ。生存のみならず。生活をせねば。人間の尊厳を守ろう。生活をせよ。生存のみならず。繰り返すしかないのだ。生活を。


洗濯物は太陽に晒される間、その存在を証明するかのようにただ静かに在り続けるが、その姿はついに忘れ去られる運命にある。 ベランダのサンダルは朽ちかけ、履くと素足に粉がまとわりつく。捨てよう。こんなもの。捨てていいのか? 捨てるべきだ。

深い意味を探し求めたところで、結局は虚無だけが残る。喜びも悲しみも、全ては無に帰する空虚な存在であり、その上でしか繰り広げられない虚しい感情に過ぎない。

洗濯物のように、一時的に光を浴びることもあるが、すぐに箪笥の暗闇に呑み込まれる。 この虚無な世界で私は、ただタオルを洗っては干し、干しては畳む。

その積み重ねが何を意味するのか、誰もが永遠に知り得ない。虚ろな眼差しで、繰り返しを受け入れるしかない。

スイミングスクールの観覧席。
保護者たちはみな、スマートフォンを弄っている。
Next Post Previous Post
No Comment
Add Comment
comment url